寒っ・すごっ・うるさっ

「寒い」「すごい」「うるさい」の強調した言い方が、「寒っ」「すごっ」「うるさっ」というように「語幹のみの形容詞」で表される傾向が広がっています。

これは2010年度の文化庁「国語に関する世論調査」でわかったことです。(2011年9月15日発表)

「寒っ」を「自分も使うし、他人が言うのも気にならない」と答えた人が62.5%、「自分は使わないが、他人が言うのは気にならない」と答えた人が22.2%で、合わせると85%にも達しています。

「すごっ」「短っ」「長っ」「うるさっ」についても65%が気にならないと答えたいます。

文化庁の氏原基余司・主任国語調査官によると、「寒っ」という用例は、19世紀初頭の式亭三馬の滑稽本『浮世風呂』で使用例があるが、「使われる形容詞が広がっている。テレビを通じてこうした使い方を耳にしている人が多く、抵抗感がなくなっているのではないか」とのことだそうです。

関東以北では、「寒い」「すごい」「うるさい」「うまい」といった形容詞の俗語の強調・感嘆詞は「さみぃ」「すげぇ」「うるせぇ」「うめぇ」と語幹を長音で伸ばす形だったはずです。

形容詞語幹を促音で表す形は、関西方言ではごく普通に使われていたことから、関西弁の全国への浸透現象の一つとみることもできるでしょう。

文化庁の発表があった直後の2011年11月半ばに流れた「富士通パソコンFMV」のコマーシャルで「はやっ!=起動10秒、ながっ!=バッテリー持続時間」と表現していました。

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また2013年8月に、JR品川駅で見かけた岩手観光のポスターに、「うまっ、いわて」とありました。

従来であれば「うめぇ、いわて」のはずである。

「うめぇ」「すげぇ」等の俗語は主に男性中心に使用された言葉です。

これに対して「寒っ」「すごっ」「うるさっ」などは、女性でも使いやすい。
それが、急速な普及の原因のひとつかもしれません。

必携 用字用語辞典
by カエレバ